『マンガ版 堀江貴文の「新・資本論」』を読了。ざっと読んでいたが、白井聡の『武器としての資本論』を読んでみて、改めて残りの部分も含めて読み終えた。マンガ混じりのすぐに読める内容で目次は↓こんな感じだ。
第1章 日本は幸福な国なのか?
第2章 貯金と借金
第3章 マネーと教育
第4章 ルールの運用は恣意的に行われる
第5章 いつだって先行きは不安
今年の2月か3月、かかりつけの目白の整体に行った時に、セブンイレブンでたまたま目にしてKindleで買ってみた本。ずっとマルクスの『資本論』が気になっていて、『まんがで読破 資本論』『まんがで読破 続資本論』も読み、今の時代に改めて考えなくてはいけないよなぁなどと思い、この本を目にしたときに「ホリエモンが資本論ってなんで? 資本側の人間が何を言うんだろう」くらいの感覚で手にしていたが、マンガのところだけ読んで積んどいた。
結論から言うとマルクスの『資本論』の中身を説明するようなことは書いてない。ただ、おそらくは「誰でも労働者ではなく資本家になれるのが今だよ。だから、そこに気がついてさっさと資本の奴隷から卒業しちゃえよ」とホリエモンは言っている。それが、今の時代の階級闘争なんだと言いたいのではないかと思う。確かに、起業してある程度回せればもうそれは資本の奴隷ではなく資本家の側に足を一歩踏み入れている。今の時代、本来の意味での資本家、つまり純粋な資本家は世界のごく一握りしかいない。起業家だって誰もが労働者でもある。 ただ、一般に、多くの労働者が、いつでも自分が資本家の側に立てることを意識していない。その常識の罠を疑い、乗り越えよとホリエモンは言っている。誰でも乗り越えられるし、その環境はできている。プチ資本家たちは、みんながそこに気がつくと彼らにとって都合の良いピュア労働者が集まらなくなるから、なるべく口をつぐんでいるというわけだ。ホリエモンはそれはフェアじゃない。だからその事実をみんなに知らせたいと言う。
この本は『資本論』の中身を知るための本ではないが、ある程度知った人間が、「今、なぜ資本論なのか?」「どう行動を起こせばいいのか」「今どきの階級闘争とは何か?」を知るために役立つ。ある意味、「新・資本論」というのはあながち嘘ではないし、タイトル通りと言える。『武器としての資本論』(白井聡)を読んだ後にこれを読み直してみて、そこに気がついたが、『武器〜』を読んでなければ、ホリエモンのマネー論だなと思って終わったろうなと、いまそんなことを考えている。